MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2018年2月の紹介

Solomon Grundy

ソロモン・グランディー

Solomon Grundy,
Born on a Monday,
Christened on Tuesday,
Married on Wednesday,
Took ill on Thursday,
Worse on Friday,
Died on Saturday,
Buried on Sunday,
This is the end
Of Solomon Grundy.

ソロモン・グランディー,
月よう日に 生まれた,
火よう日に 洗礼をうけ,
水よう日に 花よめもらった,
木よう日に 病いにかかり,
金よう日に 重くなり,
土よう日に 死んで,
日よう日に 埋められた。
これっきり
ソロモン・グランディーのはなし。


 人間の一生を,少々皮肉も込めて,ユーモラスに描いたこのマザーグース。子どもたちは大好きですぐに覚えてしまいます。もともとは曜日を覚えさせるためのマザーグースだったようですが,子どもたちは楽しんで口ずさんでいます。

 内容がおもしろいのはもちろんですが,短くて英語のリズムがいいので,自然に覚えてしまうのです。1行目の“Grundy”が,2行以降の曜日の末尾“-day”と韻をふんでいます。

 Solomon Grundyは,マザーグースのなかでも有名なキャラクターのひとつです。アメリカのコミックスにもSolomon Grundyという名前の不死身のキャラクターが登場。映画「ザ・コンサルタント」や「バットマン」にも登場します。マザーグースを知っていると,現代のサブカルチャーに対しても楽しみが増えます。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。 イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら, うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。 どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。