MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2018年6月の紹介

What are little boys made of?

おとこの子って なんでできてる?

What are little boys made of?
What are little boys made of?
 Frogs and snails
 And puppy-dogs' tails,
That's what little boys are made of.

おとこの子って なんでできてる?
おとこの子って なんでできてる?
 カエルにカタツムリ
 子イヌのしっぽ,
そんなもんで できてるのよ。

What are little girls made of?
What are little girls made of?
 Sugar and spice
 And all that's nice,
That's what little girls are made of.

おんなの子って なんでできてる?
おんなの子って なんでできてる?
 さとうにスパイス
 すてきなもの ぜんぶ,
そんなもんで できてるのよ。


 マザーグースは,「『子どもの世界から生まれた』という表現を使ったことがあるが,むしろ『子どもの世界の中に保存された』といったほうが正確である」と,有名なマザーグース研究家のオピー夫妻はいっています。まさにこのマザーグースは子どもたちによって受け継がれてきたものといえるでしょう。そのため,little boys / girlsのほかにも,young men / women, our sailors / soldiersがなんでできてる? と問うバージョンもありますが,やはりlittle boys / girlsがよく知られています。

 このマザーグースの“sugar and spice”は,“If you describe someone, especially a woman or a girl, as being sugar and spice, you mean that that person is behaving in a kind and friendly way:”(誰かを言い表すときーたとえば女性や女の子などー “sugar and spice” を使ったら,その人は優しくて親しみのある人だということを意味します)とされています。女性や女の子だけでなく,固有名詞として映画タイトル,レストラン,パン屋,洋服のブランド,または競走馬にまで使用されていますので,その名前にした意図を想像してみるのも楽しいものです。

 What [are little boys] made of?の[are little boys]の部分を替えて,What is Taro made of?のように,友だちや家族,先生について替え歌をつくって遊ぶのも楽しいです。さて,みなさん,ご自身はなんでできていますか?

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。 イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら, うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。 どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。