MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2018年7月の紹介

Lavender's blue, diddle, diddle

ラベンダーは あお色,ディドル,ディドル

Lavender's blue, diddle diddle,ラベンダーは あお色,ディドル,ディドル,
 Lavender's green; ラベンダーは みどり。
When I am king, diddle, diddle,ぼくは 王さま,ディドル,ディドル,
 You shall be queen. きみ 女王さま。
 
Who told you so, diddle, diddle,だれが きめた,ディドル,ディドル,
 Who told you so? だれが きめたの?
'Twas mine own heart, diddle, diddle,もちろん ぼく,ディドル,ディドル,
 That told me so. ぼくが きめたの。
 
Call up your men, diddle, diddle,みんなあつめて,ディドル,ディドル,
 Set them to work, はたらかせよう,
Some to the plough, diddle, diddle,すきで 畑たがやせ,
 Some to the fork. くわで 土かきおこせ。
 
Some to make hay, diddle, diddle,まぐさを つくれ,ディドル,ディドル,
 Some to reap corn, むぎ かりいれろ,
Whilst you and I, diddle, diddle,そのまに ぼくらは,ディドル,ディドル,
 Keep the bed warm. ほんわか 寝床を あたためよう。
 
Roses are red, diddle, diddle,バラの花 あかい,ディドル,ディドル,
 Violets are blue; スミレは あおい。
Because you love me, diddle, diddle,きみが ぼくを すきなら,ディドル,ディドル,
 I will love you. ぼくも きみが すき。
 
Let the birds sing, diddle, diddle,小鳥たち うたっておくれ,ディドル,ディドル,
 And the lambs play; 子ヒツジは ばんそう。
We shall be safe, diddle, diddle,ぼくらのじゃまをするもの,ディドル,ディドル,
  Out of harm's way. だあれも いない。

 恋愛の歌として有名なライムです。映画の結婚のプロポーズの場面で使われたり,日本でも合唱曲としてよく歌われたりします。性別によって第1章最後の“queen”を,“king”に換えて唱えることができますね。

 ラベンダーは鮮やかな紫色と香りが魅力のハーブ。日本でも北海道富良野のラベンダー畑などが有名で,一面に群生させた紫色のじゅうたんはとても印象的な風景です。近頃は日本でも鉢植えなどで育てたり,ドライフラワーにして飾ったりと,少しずつ人気が出てきました。イギリスでは7月初旬から咲き始め,夏のあいだじゅう楽しめるラベンダーは,色も香りも人気があり人々の生活のなかにある花のひとつです。国や地域が違うとひとつの花に対する印象も異なります。

 ラベンダーには鎮静作用があり,身体や精神をリラックスさせ,不安や緊張などを和らげてくれます。そのためアロマオイルやキャンドル,クリーム,サシェ(香り袋)などにも使用されます。また抗菌・殺菌作用もあるため,中世ローマ時代には部屋に吊るして、虫除けにしていたこともあったそうです。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。