MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2018年11月の紹介

Diddle, diddle, dumpling, my son John

ディドル,ディドル,ダンプリング,ジョンぼうや

Diddle, diddle, dumpling, my son John,
Went to bed with his trousers on;
One shoe off, and one shoe on,
Diddle, diddle, dumpling, my son John.

ディドル,ディドル,ダンプリング,ジョンぼうや
ズボンをぬがずに ふとんにはいり,
くつも かたっぽ ぬいだだけ,
ころころ,おだんご,ジョンぼうや。


 ナーサリー・ライムのなかのあそび唄,子守唄のひとつです。ジングルといって同じ音や似た音などをくり返すもので,特別な意味はありません。Diddleにも特別な意味はなく,ことばの響きやリズムがいいので“Hey diddle diddle”など,ほかのナーサリー・ライムにも出てきます。

 dumplingはリンゴなどのくだものをパイ皮でつつんで焼いたり蒸したりしたお菓子や,小麦粉で肉を包んで丸くしたものなどを指します。いずれにせよ丸くてコロコロしたかわいいものを表現していて,このナーサリー・ライムの場合,ふとっちょのコロコロしたかわいい男の子を表します。

 子どもを寝かしつけるときに親や乳母が歌うのでしょう。「さあさあ,寝る時間ですよ」と言われてベッドに急いで飛び込む男の子,または遊びつかれた男の子をベッドに運んで「やれやれ」と言ってる親や乳母の様子が目に浮かびますね。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。 イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら, うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。 どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。