MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2019年4月の紹介

There was a little girl, and she had a little curl

ちいさな女の子がいて,ちいさなカールが

There was a little girl, and she had a little curl
ちいさな女の子がいて,ちいさなカールが
Right in the middle of her forehead;
おでこの まん中に ありました。
When she was good, she was very, very good,
おりこうなときは,とってもおりこうさん,
But when she was bad, she was horrid.
だけど わからんちんになると,手におえなかったって。


 こんな女の子,みなさんのまわりにもひとりはいませんか? 私には思いあたる女の子が3人はいます。女の子が手におえなくなったときに,親が女の子に向かってこのマザーグース唱えるのでしょう。男の子より女の子のほうが,わからんちんになると手に負えないのでしょうか。

 イギリスのクイズ本(The Junior Puffin Quiz Book/1966)のなかに,
 What do you know about the character of the little girl who ‘had a little curl right down the middle of her forehead?’(「ちいさなカールがおでこのまん中にある」小さな女の子の性格について何を知っていますか?)
 といったクイズがあります。この女の子には名前もついていませんが,このマザーグースによってイギリスの子どもたちにはよく知られている女の子となっているのです。マザーグースは学校で習うのではない,英語圏の教養のひとつといえるでしょう。

 さて,このこの子のように手におえない女の子にはどうしたらいいのでしょう?“What are little girls made of?”のマザーグースを唱えて笑顔にする? それとも,“Little Nancy Etticoat”のなぞなぞ遊びをしてみる? それとも,ギュっと抱きしめて「大好きよ」と耳元でささやいてみる? みなさんなら,どうしますか?

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。 イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら, うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。 どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。