MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2019年5月の紹介

Ladybird, ladybird

テントウムシ,テントウムシ

Ladybird, ladybird,
テントウムシ,テントウムシ,
 Fly away home,
 とんで かえれ,
Your house is on fire
おうちが もえてる,
 And your children all gone;
 子どもたちは,にげだした,
All except one
ひとり おくれた
 And that's little Ann
 おちびのアン,
And she has crept under
あんかの下に
 The warming pan.
 もぐっているよ。


 指に止まったテントウムシにフッと息を吹きかけて飛ばすときに唄います。「おうちがもえてる」とは夕焼けのことでしょうか。遊びから帰るのが惜しい子どもが,その気持ちを手に止まったテントウムシにぶつけている様子が目に浮かびます。

 テントウムシは漢字では「天道虫」と書きます。空に向かって飛んでいく様子からこの名前がついた言われています。英語でladybirdというのは聖母マリアが赤いガウンを着ていたからと言われています。イギリスではladybird,アメリカでladybugといいます。かたちと色のせいでしょうか,子どもには人気の昆虫です。Warming panは,長い柄のあるふたがついた鍋のような形をしていて,その鍋の中に炭火を入れて,布団とシーツの間に入れて動かし,ベッドを暖めました。

 日本のわらべうたにも「とんぼのめがね」「虫のこえ」「おつかいありさん」のように,虫を唄ったわらべうたがたくさんあります。子どもにとって身近な動物である昆虫は,見つけやすく親しみのある生き物です。外遊びが楽しい季節です。みなさんも太陽の下,ちかくにどんな昆虫がいるのか,探してみてください。テントウムシを見つけたら,ぜひこのマザーグースを唄ってくださいね。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。 イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら, うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。 どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。