MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2020年3月の紹介

Oranges and lemons

オレンジとレモン

Oranges and lemons,
Say the bells of St. Clement's.
オレンジとレモン,
聖クレメントの鐘がなる
  
You owe me five farthings,
Say the bells of St Martin's.
おまえに五銭 貸しがある,
聖マーチンの鐘がなる。
  
When will you pay me?
Say the bells of Old Bailey.
いつになったら 払ってくれる?
オールド・ベイリーの鐘がなる。
  
When I grow rich,
Say the bells of Shoreditch.
お金持ちになったなら,
ショーディッチの鐘がなる。
  
When will that be?
Say the bells of Stepney.
I'm sure I don't know,
Says the great bell at Bow.
それはいったい いつなんだ?
ステプニーの鐘がなる。
そいつがわかれば 苦労はない,
ボー教会の大鐘がなる。
  
Here comes a candle to light you to bed,
Here comes a chopper to chop off your head.
ろうそくともしてベッドへごあんない,
首切人が おまえの首 ちょん切るぞ。
  
 chop, chop, chop, ......, chop!  ちょん切るぞ,ちょん切るぞ……ちょん切った!

 二人で手をつないでアーチを作り,他の子どもたちがそこをくぐりますが,アーチの二人はどちらがオレンジかレモンか内緒で決めておきます(アーチをくぐる子どもたちは,アーチの二人のどちらがオレンジかレモンなのか知りません)。”chop, chop, chop, ......, chop!”でアーチが下りて捕まえられた人は,アーチの二人に「オレンジかレモンのどっちにする?」と内緒で聞かれ,選んだほうのアーチの後ろにつきます。最後の子が捕まってアーチの後ろにつくまで続け,どちらのアーチのグループが多くなるか競ったり,引っ張りっこをして勝ち負けを決めたりして楽しみます。

 この遊びは,「ブリッジゲーム」「ゲイトゲーム」などと呼ばれ,ドイツやスウェーデンなどのヨーロッパに同じような遊びがあります。日本にも同じようにアーチをくぐる「通りゃんせ」というあそびがあります。

 このマザーグースに登場する教会は,全てロンドン旧市街やその近くに実在する教会がモデルになっています。その昔,斬首刑が執行されるときに教会の鐘が鳴ったことから,このマザーグースができたようです。ちょっと怖い内容ですが,そのような唄こそ子どもは好んで歌うのでしょう

 その昔,聖クレメント教会近くの船着場に,地中海方面から運ばれてきたオレンジやレモンが荷下ろしされたことから,聖クレメント教会では3月にお祭が行われます。教会に通う子どもたちは礼拝に参加し,終わるとオレンジとレモンを手渡されます。

 「オレンジ/レモン」の替わりに,「タルト/チーズケーキ」「プラム・プディング/ローストビーフ」と選択肢をかえて遊ぶこともあるそうです。みなさんなら,どんなものを選びますか?

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。