2020年5月の紹介
Who killed Cock Robin?
コック・ロビンをころしたのは だあれ?
2020年5月の紹介
Who killed Cock Robin?
コック・ロビンをころしたのは だあれ?
Who killed Cock Robin? I, said the Sparrow, With my bow and arrow, I killed Cock Robin. |
コック・ロビンをころしたのは だあれ? おれと スズメがいった, 弓と矢で, おれが ころした。 |
Who saw him die? I, said the Fly, With my little eye, I saw him die. |
ロビンが死ぬのを見たのは だあれ? あたし とハエがいった, ちゃっちゃな目だけど, あたしが 死ぬのを 見たわ。 |
Who caught his blood? I, said the Fish, With my little dish, I caught his blood. |
ロビンの血をうけたのは だあれ? ぼく とサカナがいった, ちいさなさらに, ぼくが 血を うけた。 |
Who'll make the shroud? I, said the Beetle, With my thread and needle, I'll make the shroud. |
だれが 経帷子(きょうかたびら)をぬう? あっし とカブト虫がいった, 糸とはりで, あっしが 経帷子をぬいまさあ。 |
Who'll dig his grave? I, said the Owl, With my pick and shovel, I'll dig his grave. |
だれが ロビンの墓をほる? わし とフクロウがいった, つるはしとシャベルで, わしが 墓をほろう。 |
Who'll be the parson? I, said the Rook, With my little book, I'll be the parson. |
だれが お祈りをあげる? わたくし とミヤマガラスがいった, 聖書を もっております, わたくしが お祈りをあげましょう。 |
Who'll be the clerk? I, said the Lark, If it's not in the dark, I'll be the clerk. |
だれが 手はずをととのえる? それがし とヒバリがいった, くらがりでなければ, それがしが 手はずをととのえましょう。 |
Who'll carry the link? I, said the Linnet, I'll fetch it in a minute, I'll carry the link. |
だれが たいまつを かかげる? わっし とムネアカヒワがいった, ちょっくら とってこよう, わっしが たいまつをかかげるさ。 |
Who'll be chief mourner? I, said the Dove, I mourn for my love, I'll be chief mourner. |
だれが 喪主をつとめる? あたくし とハトがいった, いとしいお方を しのびつつ, あたくしが 喪主をつとめます。 |
Who'll carry the coffin? I, said the Kite, If it's not through the night, I'll carry the coffin. |
だれが 棺をかつぐ? わがはい とトビがいった, 夜のとばりがおりてなければ, わがはいが 棺をかつごう。 |
Who'll bear the pall? We, said the Wren, Both the cock and the hen, We'll bear the pall. |
だれが 棺のおおいをかざす? わたしらが とミソサザイがいった, 亭主と女房 ふたりして, わたしらが おおいをかざしましょう。 |
Who'll sing a psalm? I, said the Thrush, As she sat on a bush, I'll sing a psalm. |
だれが さんび歌をうたう? わたし とツグミはいって, 枝に つばさやすめた、 わたしが さんび歌をうたいますわ。 |
Who'll toll the bell? I, said the Bull, Because I can pull, I'll toll the bell. |
だれが とむらいの鐘をつく? おいら とオウシがいった, つなひきは とくい, おいらが とむらいの鐘をつこう。 |
All the birds of the air Fell a-sighing and a-sobbing, When they heard the bell toll For poor Cock Robin. |
空とぶ小鳥は みな ため息もらし むせびなく、 コック・ロビンのために鳴る 鐘の音を ききながら。 |
最初に「だれが殺したのか?」と問いながらも,殺したスズメは正直に答え,責められることはなく,死んだコック・ロビンの葬儀をどう行うか,といった内容の詩です。マザーグースの中でいちばん多く登場するロビン(駒鳥)は,胸がオレンジ色をした可愛らしい鳥です。ロビンはほかの鳥が亡くなると,その亡骸に葉をかぶせるという良い行いをすると言われています。そのようなロビンの葬儀ですから,仲間の鳥たちが協力して執り行うというわけです。鳥たちはそれぞれの得意分野を生かして葬儀を行おうとします。
このマザーグースにはこれまでに,他の鳥や動物などが登場する多くのバージョンがあります。小さな本には子どもが好きな鳥や動物が鮮やかに描かれ,子どもたちにも人気のあるマザーグースです。韻が踏めるように鳥や動物の名前が詩の中に配置されて,goat(ヤギ)やdeer(シカ)などが登場するバージョンもあります。
英語圏では、この詩の最初の部分はよく政権などが倒れるときに,新聞見出しなどに見ることがあります。日本でもマンガやゲームなどで取り上げられたことがありました。日本の作品にこのマザーグースをみつけたら,もとのこの英語のマザーグースをぜひ思い出してみてください。