MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2021年3月の紹介

Come, butter, come

バターになあれ バターになあれ

Come, butter, come,
Come, butter, come;
Peter stands at the gate
Waiting for a butter cake.
Come, butter, come.

バターになあれ バターになあれ
バターになあれ バターになあれ
ピーターぼうや おかどにたって
バターケーキを まってます
バターになあれ バターになあれ

 昔,バターを作るためにはbutter chumという攪乳器(かくにゅうき)に牛乳を入れて棒で突いたり,混ぜたりました。温度にもよりますが15~60分くらいかかったようです。butter chumには陶器のものや木でできた桶もありました。butter chumは,『3びきのコブタ』のなかにもでてきます。コブタが市場でこれを買い,オオカミがやってくるのを見るとこの中に入って,そのまま坂をころがってオオカミを驚かせましたね。

 バターのかたまり具合が悪いと「妖精がこの器の中に入っていたずらをしている」と考えられていました。そんなときはこのマザーグースを3回唱えると,妖精をのいたずらを止めさせたり,弱めたりすることがでると言われていたのです。

 小さなお子さんをリズムに合わせて,膝の上や立って抱っこしながら上げ下げしたり,揺らしたりして遊びましょう。おいしいバターができるかしら?

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。