MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2021年7月の紹介

Twinkle, twinkle, little star

ちかちか ちいさなおほしさま

Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!
Up above the world so high,
Like a diamond in the sky.
ちかちか ちいさなおほしさま
なまえを おしえてくださいな
だいちを はるかにしたにみて
かがやく そらのダイヤモンド
  
When the blazing sun is gone,
When he nothing shines upon,
Then you show your little light,
Twinkle, twinkle, all the night.
もえたつ たいようしずみゆき
せかいの うらへめぐっていく
そのとき ちいさくささやかに
あさまで またたくおほしさま
  
Then the traveller in the dark,
Thanks you for your tiny spark,
He could not see which way to go,
If you did not twinkle so.
よみちを たどるたびびとあり
かそけき ひかりにみちびかれ
あなたの おでましなかったら
まよいに まようことでしょう
  
In the dark blue sky you keep,
And often through my curtains peep,
For you never shut your eye,
Till the sun is in the sky.
よぞらに あゆみはたゆみなく
わたしの まどべもおとずれる
いつでも ぱっちりめをあけて
あけぼの さしそめるときまで
  
As your bright and tiny spark,
Lights the traveller in the dark,----
Though I know not what you are,
Twinkle, twinkle, little star.
やみじに ちいさなともしびを
ともして たびびとなぐさめる
かわいい ななしのおほしさま
きらめく ひかりをいつまでも

 この詩は日本でも「きらきら星」の歌詞として有名です。幼い頃に夜空を見上げて歌ったことのある人も多いことでしょう。どの行でも1行のなかに,強弱が4回くり返されていて,これを四歩格(しぶかく)といいます。また,star/are,high/skyのように,どのまとまりでも韻を踏んでいますね。

 「きらきら星(Twinkle, twinkle, little star)」の曲は,18世紀にフランスで作られたシャンソン「あのね、ママ聞いてよ(Ah! Vous dirais-je, Maman)」がもとになっています。この曲には,作曲家のモーツァルトも関心をもち,1778年にピアノ用に編曲した「きらきら星変奏曲」を発表しました。この曲がイギリスに渡ると,ジェーン・テイラーという詩人による「The Star」という詩の一部が歌詞に使われるようになり,現在知られる「Twinkle, twinkle, little star」のかたちとなったのでした。作者不明の作品が多いなか,めずらしく作った人がわかっているマザーグースです。

 『ふしぎの国のアリス』の原作では,三月ウサギが主催するお茶会の場面で,帽子屋が「Twinkle, twinkle, little bat……」と,このマザーグースを替え歌にして歌います。帽子屋はその替え歌をハートの女王の前で歌って,「首を切れ!」と言われてしまったことがあると,アリスに話します。

 夜の星空といえば,もうすぐ日本ではおり姫とひこ星の物語で有名な「七夕」がやってきますね。夏の訪れを感じるこの時期に,夜風を感じながら,空を見上げてみてはいかがでしょう。ダイアモンドのような星が降り注ぐ空が,見られるといいですね。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。