MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2022年2月の紹介

One, two, Buckle my shoe

One, two,
Buckle my shoe;
Three, four,
Knock at the door;
Five, six,
Pick up sticks;
Seven, eight,
Lay them straight;
Nine, ten,
A big fat hen;
Eleven, twelve,
Dig and delve;
Thirteen, fourteen,
Maids a-courting;
Fifteen, sixteen,
Maids in the kitchen;
Seventeen, eighteen,
Maids in waiting;
Nineteen, twenty,
My plate's empty.

1,2, 靴をはいたら
3,4, 戸をたたこう
5,6, 枝をひろって
7,8, まっすぐおこう
9,10, こえためんどり
11,12, 土ほりまくる
13,14, 娘さんはデート
15,16, 娘さんキッチン
17,18, 娘さんのお給仕
19,20, で,ごちそうさま

 数え唄です。two/shoe,four/door,six/sticks,と韻をふんでいて,子どもでも歌いやすく覚えやすいでしょう。ふたつのグループに分かれて,かけあいにして歌うのも楽しいです。リズムよく歌いましょう。

 韻をふむためにことばが選ばれているので,唄の意味はとくにありません。どんなことを言っているのだろうと想像して,物語を作ってみても楽しいですね。Buckle my shoeは「靴の金具を留める」という意味ですが,近頃はそのような靴は(とくに子どもの靴には)あまり見かけませんね。後半に登場するMaidは,お手伝いさん,女中さんという意味もありますが,結婚をしていない女性という意味もあります。最後の「My plate's empty.」の「My」は,いったい誰のことなのでしょう?

 アガサ・クリスティーの作品には『One, two, buckle my shoe(邦題:愛国殺人)』という推理小説があります。このマザーグースを知っていると謎が解けるのでしょうか。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。