MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2022年11月の紹介

Eeny, meeny, miny, mo

Eeny, meeny, miny, mo,
Catch a tigger by his toe;
If he squeals, let him go,
Eeny, meeny, miny, mo.
イーニミーニマイニモー
トラさんのあしつかまえろ
いたいといったらそらはなせ
イーニミーニマイニモー

 鬼決め唄(鬼を決めるときなどに使う)としては,多分いちばん有名なマザーグースでしょう。マザーグースによくみられる強弱四歩格で,「mo/toe/go/mo」と韻をふんでいます。日本語では「だれに(どれに/どちらに)しようかな,神様の言うとおり」がありますね。鬼を決める以外にも,なにを選ぶか迷った際にも唱えます。どのケーキを選ぶか迷ったときや,選挙で誰に投票するか迷ったときに,このマザーグースで決めるという人も……。

 参加するメンバーが輪になって,このマザーグースを唱えながら片手や片足を一人ずつ前に出していったり,またはリーダーやひとつ前の鬼が,メンバーひとりずつを指さしたりして鬼を決めます。

 この4行詩の鬼決め唄は,英語だけではなく、フランス語,ドイツ語,デンマーク語など欧米の他の言語にも同じような唄をみることができます。このマザーグースの由来は諸説あるようです。「Eeny, meeny, miny, mo」は「1,2,3,4」を表すケルト語に由来したり,漁師や羊飼い,編み物をする女性が使用していた数え方だったりしました。ヨーロッパ各地で歌われてきた歌だったようですね。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。