MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2023年1月の紹介

The cock crows in the morn

The cock crows in the morn

The cock crows in the morn
To tell us to rise,
And he that lies late
Will never be wise:
For early to bed,
And early to rise,
Is the way to be healthy
And wealthy and wise.
おんどりがときをつくる
もう朝ですよ起きなさい
朝ねぼうは
三文のそん
早寝早起きは
丈夫で金持ち
賢くなるひけつ

 ここに登場するおんどりのcockはイギリス英語ですが,アメリカ英語ではおんどりはroosterといいます。みなさんは,おんどりの鳴き声で目覚めたことはありますか? おんどりが鳴き始めるのは,夜明けの2~3時間前です。おんどりの声で起きる人は,すごく早起きですね。おんどりが鳴くのは音や光のような刺激ではなく,おんどりの体内時計が関係しているのだそうです。そのうえおんどりは群れで行動し外部からの侵入を防ぐために,まずはリーダーの一羽が鳴き,その後に続いてほかのおんどりも鳴き始めるのだそうです。

 一般的に朝を表す英語は「morning」ですが,ここでは「morn」が使われています。「morn」はよく詩に使われる言葉で,暁(あかつき),つまり夜半から夜の明ける頃までを意味します。モーリス・センダックの『IN THE NIGHT KITCHEN(まよなかのだいどころ)』では,ミッキーがたどりつく台所の説明に,「WHERE THE BAKERS WHO BAKE TILL THE DAWN SO WE CAN HAVE CAKE IN THE MORN(そこではまいばん,パンやさんたちが よるもねないで ぼくらのために あさのケーキを やいている)」と,morn(MORN)が使われています。

 マザーグースが唄われる英語圏でも,早寝早起きはしたほうがいいようですね。日本にも「早起きは三文の徳」ということわざがありますが,これは中国の詩が語源と言われています。ヨーロッパでもアジアでもそういわれるということは,「早寝早起きはするべき」という考えは世界共通なのかもしれませんね。寒い冬の朝が続きますが,みなさんも早起きしてみたら,なにかいいことがあるかもしれません。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。