MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2023年3月の紹介

Daffy-down-dilly is new come to town

Daffy-down-dilly is new come to town,
With a yellow petticoat, and a green gown.
スーイスーイスイセンまちへきた
きいろいスカート みどりのガウン

 Daffodil(水仙)が咲くようすに春の訪れを感じるマザーグースです。Daffodilはイギリスの春を象徴する花といえます。イギリスの人びとは冬がくる前にDaffodilの球根を植え,長い冬のあいだ,春の訪れを心待ちに待つそうです。そしてウエールズの守護聖人、聖デイヴィッドを記念する「St David's day」の3月1日頃に咲き始めます。ウエールズの人々は「St David's day」で,国の象徴であるネギと,Daffodilを身につけるそうです。日本では「黄水仙(キズイセン)」と呼ばれています。

 ウエールズのラグビーのユニフォームにもDaffodilがついています。3月にヨーロッパで行われるSix Nations(6か国─イングランド,フランス,アイルランド,イタリア,スコットランド,ウェールズ─が参加するラグビー国際大会)では,ウエールズの応援団は黄色いDaffodil Hatをかぶって応援しています。3月のまだ寒い中,この帽子は頭を暖かく包み込むことができ,また黄色が目立つので応援団は好んでかぶるのだそうです。

 イギリスの詩人ウイリアム・ワーズワースの「The Daffodils」という有名な詩があります。これはワーズワースが4月に湖水地方を訪れ,水仙の群落に出合ったときの感動をうたった詩です。黄色い水仙が風に踊る様子を思い出して,またも心躍る様子が感じられる詩です。日本でもDaffodilが咲く季節となりました。強い香りで近くに咲いていることに気づくこともあることでしょう。みなさんもDaffodilをみつけたら,このマザーグースを唱えて,春の訪れをぜひ感じてください。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。