MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2023年7月の紹介

Star light, star bright

Star light, star bright,
First star I see tonight,
I wish I may, I wish I might,
Have the wish I wish tonight.
星あかり 星あかり
こんやのいちばん星みつけた
星に願かけ しよかやめよか
願かけ 何かけ まずかんがえよ

 太陽が沈んで,あたりが暗くなって,最初に見える星を「いちばん星」と呼びます。いちばん星は特定したひとつの星ではありませんが,西の空に輝きだす明るい金星のことを言うことが多いようです。とても明るく,目立つのですぐに見つかるでしょう。金星は,日没後に見えると「宵の明星(よいのみょうじょう)」,夜明け前の東の空に見えるときは「明けの明星(あけのみょうじょう)」と呼びます。

 このマザーグースは,19世紀にアメリカで生まれました。「星に願いをかけると願い事が叶う」という考えは,古代ヨーロッパからありました。映画「ピノキオ」のなかでは,ゼペットじいさんがこのマザーグースを唱え,その後「You know what I wished? I wished that my little Pinocchio might be a real boy. Wouldn’t that be nice?」と,飼い猫のフィガロに話します。

 そして星といえば,今夜は七夕。七夕の伝説は中国の昔話で,年に一度7月7日の夜に会うことができる,織り姫と彦星の物語です。けれども七夕の日は,雨が降ることが多いようです。この日に降る雨は,ふたりが流す涙にみたてて,催涙雨(さいるいう)と呼ばれています。今夜は雨が降らずに,ふたりが会えることを祈りたいですね。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。