2024年12月の紹介
A fox jumped up one winter's night
2024年12月の紹介
A fox jumped up one winter's night
A fox jumped up one winter's night, And begged the moon to give him light, For he'd many miles to trot that night Before he reached his den O! Den O! Den O! For he'd many miles to trot that night Before he reached his den O! |
キツネがはねる 冬の夜 お月さん 明かりをたのみます よどおしかける ながい道 ほらあな めざして オー! ほらあなへ オー! ほらあなへ オー! よどおしかける ながい道 ほらあな めざして オー! |
The first place he came to was a farmer's yard, Where the ducks and the geese declared it hard That their nerves should be shaken and their rest so marred By a visit from Mr. Fox O! Fox O! Fox O! That their nerves should be shaken and their rest so marred By a visit from Mr. Fox O! |
さいしょの寄り道 百姓家 アヒルとガチョウが けたたましい こわいよぶるぶる 寝ちゃいられない キツネどんがやってきた オー! キツネどん オー! キツネどん オー! こわいよぶるぶる 寝ちゃいられない キツネどんがやってきた オー! |
He took the grey goose by the neck, And swung him right across his back; The grey goose cried out, Quack, quack, quack, With his legs hanging dangling down O! Down O! Down O! The grey goose cried out, Quack, quack, quack, With his legs hanging dangling down O! |
灰色ガチョウの くびくわえ キツネは せーのと せなかにしょった 灰色ガチョウが ガアッガアッガアッ あしはぶらぶら ふあんてい オー! ふあんてい オー! ふあんてい オー! 灰色ガチョウが ガアッガアッガアッ あしはぶらぶら ふあんてい オー! |
Old Mother Slipper Slopper jumped out of bed, And out of the window she popped her head: Oh! John, John, John, the grey goose is gone. And the fox is off to his den O! Den O! Den O! Oh! John, John, John, the grey goose is gone, And the fox is off to his den O! |
スリッパ・スロッパばあちゃん とびおき 窓からひょいと ながめれば おうや!ジョン ジョン ガチョウがいない キツネ はねはね ほらあなへ オー! ほらあなへ オー! ほらあなへ オー! おうや! ジョン ジョン ガチョウがいない キツネ はねはね ほらあなへ オー! |
John ran up to the top of the hill, And blew his whistle loud and shrill; Said the fox, That is very pretty music; still- I'd rather be in my den O! Den O! Den O! Said the fox, That is very pretty music; still- I'd rather be in my den O! |
ジョンかけのぼる 丘のうえ くちぶえ ぴりぴり ふきならす キツネいうには たえなる音色――でもね やっぱり ほらあながいい オー! ほらあなへ オー! ほらあなへ オー! キツネいうには たえなる音色――でもね やっぱり ほらあながいい オー! |
The fox went back to his hungry den, And his dear little foxes, eight, nine, ten; Quoth they, Good daddy, you must go there again, If you bring such good cheer from the farm O! Farm O! Farm O! Quoth they, Good daddy, you must go there again, If you bring such good cheer from the farm O! |
キツネはかえる 妻子のもとへ かわいいこギツネ 八, 九, 十ぴき くちをそろえて とうちゃんでかした またおみやげを もってきてね オー! おみやげ オー! おみやげ オー! くちをそろえて とうちゃんでかした またおみやげを もってきてね オー! |
The fox and his wife, without any strife, Said they never ate a better goose in all their life: They did very well without fork or knife, And the little ones picked the bones O! Bones O! Bones O! They did very well without fork or knife, And the little ones picked the bones O! |
キツネとかみさん うなずきあった これほどうまい ガチョウはない フォークもナイフも いりはしない こギツネほねを しゃぶって オー! ほねほね オー! ほねほね オー! フォークもナイフも いりはしない こギツネほねを しゃぶって オー! |
冬にうたわれるマザーグースのひとつです。かなり長めの詩ですが,軽快なリズムにのせて歌うと意外と歌いやすいです。今から500年前,1500年代にはすでに存在していて,イギリスでもアメリカでも親しまれている曲ですが,口伝えでつたわってきたものなので,歌詞はところどころ違います。
特に第4節(”Old Mother Slipper Slopper jumped out of bed”から始まる部分)が人気で,”Slipper Slopper”のほかに, Widdle Waddle, Hipple-hopple, Chittle Chattle, Snipper Snapper, Flipper Flapper, Wig Wagなどいろいろな歌詞に変えられて歌われています。
ガチョウにとってキツネの登場は命に関わる恐怖そのものです。「このまま食べられてしまうのか」と,恐怖で震えるガチョウの姿が目に浮かびます。一方キツネにとっても,楽な仕事ではありません。家族を養うための狩りであり,人間につかまってしまう危険と隣りあわせです。さらに,キツネを見つけた人間の焦りや怒りが緊張感を一層高めています。
キツネやガチョウは,昔から物語や詩の題材としてよく出てきます。例えば,『ピーター・ラビット』シリーズの『あひるのジマイマのおはなし』では,キツネの紳士が描かれていますし,「マザー・グース」にも”Mother Goose”(直訳すると「ガチョウ母さん」)という名がついています。
キツネは農家にとって家畜や農作物を荒らす害獣として嫌われる存在でしたが,一方でキツネも生き残るために家畜や農作物を食べていました。こうした人間と動物の関係性や葛藤が,この詩の中でもシリアスかつコミカルに描かれているのではないでしょうか。こうした人々の生活に身近な動物との関係がうたわれているからこそ,この詩は長く親しまれてきたのかもしれません。