MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2022年6月の紹介

Snail, snail

Snail, snail,
Come out of your hole,
Or else I'll beat you
As black as coal.
Snail, snail,
Put out your horns,
I'll give you bread
And barley corns.
カタツムリ,カタツムリ
穴からでてこい
なぐってやるぞ
たたきのめすぞ
カタツムリ,カタツムリ
2本の角だせ
パンをやろう
大むぎやろう

 雨の多い時期によく見られるカタツムリのマザーグースです。日本にもよく似た童謡「かたつむり」があります。「でんでんむしむし かたつむり おまえのあたまはどこにある つのだせ やりだせ あたまだせ」。子どもはカタツムリをかわいいと思いながらも,つっついて刺激すると頭を引っ込め,殻にこもってしまう反応が気になるのでしょう。マザーグース「What are little boys made of?」では,男の子が「snail」でできていると,カエルや小イヌのしっぽとならんでちょっと気味が悪いもののひとつに数えられていますね。

 カタツムリの「horn(つの)」は4本あることをご存知でしょうか。大きく動く2本のつのの下に,小さいつのが2本あります。カタツムリは目が悪いといわれ,この4本の触覚を頼りにしているのです。カタツムリは花壇や家の周りの石の裏や雑木林,森林公園でよく探せますが,住宅街のコンクリートにもいることがあります。塀やブロック、家の外壁に使われるコンクリートに含まれる炭酸カルシウムを食べて殻を作るからです。

 乾燥に弱く,夏は夏眠,冬は冬眠をします。梅雨のこの季節がいちばん探しやすいでしょう。みなさんも,雨が上がった後に探してみてはいかがでしょう。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。