MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2024年6月の紹介

Dance to your daddy

  Dance to your daddy,
  My little babby,
Dance to your daddy, my little lamb;
  You shall have a fishy
  In a little dishy,
You shall have a fishy when the boat comes in.
  Dance to your daddy,
  My little babby,
Dance to your daddy, my little lamb.
  踊ってみせて父さんに
  かわいいねんねちゃん
踊ってみせて こひつじちゃん
  ごはんはさかな
  こざらにもろう
いさりぶねかえってきたら
  踊ってみせて父さんに
  かわいいねんねちゃん
踊ってみせて こひつじちゃん

 daddy/babby,fishy/dishyで韻をふんでいます。fishy(お魚さん)とdishy(お皿さん)はそれぞれ赤ちゃんことばです。イングランド北部からスコットランドの地域でよく歌われていたマザーグースで,その地域では「baby」のことを「babby」というそうです。お父さんがかわいいわが子と遊びたい気持ちがよく表れています。

 ダンスのごほうびが魚となっていますが,漁師町で船が戻ってくるのを待つ人々が歌ったそうです。魚つりが登場するマザーグースには「One, two, three, four, five」や「Simple Simon」があります。

 今月6月の第3日曜日は父の日です。1909年にアメリカ・ワシントン州の女性が,教会で母の日のはなしを聞いたときに父の日制定することを思いついたそうです。なぜなら彼女は男手ひとつで6人の子どもを育ててくれた父親に感謝の意を表したかったからです。みなさんは,お父さんとの思い出はどんなものがありますか。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。