MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2024年5月の紹介

Mr. East gave a feast

Mr. East gave a feast;
Mr. North laid the cloth;
Mr. West did his best;
Mr. South burnt his mouth
With eating a cold potato.
東さんが えんかいひらいた
北さんが テーブルのしたく
西さんが せっせとてつだい
南さんが くちびるをやけど
つめたい じゃがいもたべて

 「feast/best」「cloth/mouth」で韻を踏んでいます。東西南北さんが仲よく宴会を開いていますが,南さんはどうしてつめたいじゃがいもで,やけどをしてしまうのでしょう? しかもじゃがいもは,冷たくするよりも,アツアツで食べることの多い食べ物です。ちょっと,変ですね。こんなナンセンスが,マザーグースの楽しさです。

 東西南北を表すことばをこのようなマザーグースで,楽しみながら覚えられたらいいですね。マザーグースを聞きながら,英語圏の子どもは自然にことばを覚えていきます。方角の他に,曜日をうたった「Monday's child is fair of face」「Solomon Grundy」などもあります。

 昔は方角を,星を見て判断していました。その後,コンパスが発明され,いまやスマートフォンでも方角はわかります。方角を知ることは,いまも昔も,たいせつなことだったのかもしれません。でもどうして,このマザーグースでは東西南北が集まったのでしょう? みなさんなら宴会に,どのような仲間を招待して,どのような料理をだしますか?

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。