MOTHER
GOOSE今月のマザーグース

2024年9月の紹介

I see the moon

I see the moon,
  And the moon sees me;
God bless the moon,
  And God bless me.
ぼくが月をみると
  月もぼくをみる
かみさま 月に祝福を
  かみさま ぼくに祝福を

 9月の行事といえば、月を眺めてお団子を食べる...そんなイメージがあるのではないでしょうか?
そんなイメージになっている「中秋の名月」ですが、元は中国の風習で日本には平安時代に伝わったとされます。
「中秋」とは、旧暦の8月15日を指します。今年(2024年)の中秋の名月は9月17日でした。

 今では、地球から月に行くこともある程度は可能な時代になりました。しかし、月に人間がいくことなど夢にも考えなかった時代にも、毎晩夜空に浮かぶ月は、人々に大きな印象を残したのでしょう。どの民族の伝承にも、月は登場します。

 "Hey diddle diddle" (2017年9月紹介)にも「月をとびこえるめうし」が出てきますし、
"The man in the moon drinks claret" (2023年9月紹介)にも「月にいる男」がでてきます。今日の詩 "I see the moon"にも月が出てきますね。

 "I see the moon" を見ていると、モーリス・センダックの絵本『まよなかのだいどころ』に出てくる ミルクのうた を思い出しませんか??

 I'M IN THE MILK AND THE MILK'S IN ME.
 GOD BLESS MILK AND GOD BLESS ME!(※)

 このステキなミッキーのセリフも、"I see the moon"をもとにして作られているようですよ。
 星が輝く夜空の中でひときわ大きく美しく浮かんでいる月は、特別な存在だったのかもしれませんね。

 (※)文中の引用はGT19 『IN THE NIGHT KITCHEN』(MAURICE SENDAK/ラボ教育センター刊)より

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。